英語ができないけど、外資ITに転職できるのか。
この不安を持つ人は非常に多いです。
結論から言うと、英語ができなくても外資ITに転職できるケースはあります。ただし、ポジションや企業によって求められる英語力は大きく異なります。英語力が低くても入れる外資と、高い英語力が必須の外資があります。
私は大手外資コンサルティングファームで働いており、北米での勤務経験もあります。英語に自信がない状態から外資に飛び込み、働きながら英語力を伸ばしてきました。
この記事では、英語ができなくても外資ITに転職できるのか、現実的な可能性と攻略法を解説します。
外資ITで求められる英語力の現実
まず、外資ITで実際にどの程度の英語力が求められるかを整理します。
英語力のレベル分け
外資ITで求められる英語力は、ポジションや企業によって異なります。
レベル1:英語ほぼ不要 日本法人が独立して運営されており、日本語のみで業務が完結する。上司も同僚も日本人。ドキュメントも日本語。
レベル2:読み書き中心 メールやドキュメントは英語だが、会話は日本語中心。海外チームとのやり取りはテキストベース。
レベル3:会議で英語を使う 週に数回、海外チームとの英語会議がある。発言を求められることもある。
レベル4:日常的に英語 上司が外国人、チームメンバーも多国籍。日常のコミュニケーションが英語中心。
レベル5:英語がネイティブレベル 経営層との議論、交渉、プレゼンなど、高度な英語コミュニケーションが求められる。
ポジション別の英語力目安
| ポジション | 英語力目安 | 備考 |
|---|---|---|
| エンジニア(日本チーム) | レベル1〜2 | 日本向けプロダクトならほぼ不要な場合も |
| エンジニア(グローバルチーム) | レベル3〜4 | 海外チームとの協業が発生 |
| プリセールス / SA | レベル2〜3 | クライアントは日本企業が中心 |
| PM / PdM | レベル3〜4 | 海外ステークホルダーとの調整 |
| マネージャー以上 | レベル4〜5 | 上司が外国人のケースが多い |
企業タイプ別の英語力目安
| 企業タイプ | 英語力目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 外資SIer(日本法人大きい) | レベル1〜2 | 日本のクライアント向け業務中心 |
| 外資SaaS(日本法人あり) | レベル2〜3 | 本社との連携はあるが限定的 |
| GAFAM | レベル3〜5 | ポジションによる差が大きい |
| 外資スタートアップ | レベル3〜4 | 少人数で本社との距離が近い |
| 外資コンサル | レベル2〜4 | クライアントは日本企業だが社内は英語 |
英語ができなくても入れる外資IT
英語力が低くても転職できる外資ITのパターンを示します。
パターン① 日本法人が大きい外資企業
日本法人の規模が大きく、日本市場向けの組織が独立している企業は、英語力をあまり求めないことがあります。
例
- 日本IBM
- 日本オラクル
- SAPジャパン
- アクセンチュア(日本向けプロジェクト)
これらの企業では、日本のクライアント向けの業務が中心で、日本語でほぼ完結するポジションがあります。
パターン② 日本市場向けのポジション
グローバル企業でも、日本市場向けのポジションは英語力の要件が低いことがあります。
例
- 日本企業向けのセールス
- 日本語サポート
- 日本向けプロダクトの開発チーム
- 日本法人のバックオフィス
これらのポジションでは、クライアントやユーザーが日本人のため、日本語が主な業務言語になります。
パターン③ 技術力重視のエンジニアポジション
高い技術力があれば、英語力が多少低くても採用されるケースがあります。
特に、人材不足が深刻な領域(クラウド、セキュリティ、データエンジニアリング、ML/AIなど)では、技術力を優先して採用し、英語力は入社後に伸ばしてもらうという方針の企業もあります。
英語力が必須の外資IT
逆に、英語力がないと難しい外資ITのパターンも示します。
パターン① 日本法人が小さい外資企業
日本法人の規模が小さく、本社や他国のチームと密に連携する必要がある企業は、英語力が必須です。
日本チームが数人〜数十人規模の場合、上司が外国人だったり、日常的に海外チームとやり取りしたりすることが多いです。
パターン② グローバルチームで働くポジション
同じ企業でも、グローバルチームに配属されるポジションは英語力が必須です。
複数国のメンバーと協働する、本社のステークホルダーと調整する、グローバルプロジェクトをリードするなどの業務では、英語でのコミュニケーションが日常になります。
パターン③ マネジメントポジション
マネージャー以上のポジションは、英語力が求められることが多いです。
上司が外国人であることが多く、本社への報告、グローバルの会議参加、他国のマネージャーとの連携などが発生します。
パターン④ 面接が英語の企業
選考プロセスに英語面接がある企業は、入社後も英語を使う環境です。
英語面接を突破できない場合、入社後も苦労する可能性が高いです。面接が英語ということは、英語力を求めているサインです。
英語力が低い人の外資IT転職戦略
英語力が低い状態で外資ITに転職するための戦略を示します。
戦略① 英語力要件が低いポジションを狙う
最初から英語力要件が低いポジションを狙います。
狙い目のポジション
- 日本法人が大きい外資企業のエンジニア
- 日本企業向けのプリセールス / SA
- 日本市場向けのカスタマーサクセス
- 外資コンサルの日本クライアント向けプロジェクト
求人票に「ビジネスレベルの英語力必須」と書かれていないポジションを探してください。
戦略② 技術力で勝負する
英語力が低い分、技術力でカバーします。
高い技術力があれば、「英語は入社後に伸ばしてもらえばいい」と判断されることがあります。
技術力をアピールする方法
- AWS、GCPなどのクラウド認定資格を取得
- GitHubで個人開発の成果を公開
- 技術ブログで発信する
- コーディング面接で高いパフォーマンスを見せる
戦略③ 段階的にキャリアアップする
最初から英語力が必要な外資を狙うのではなく、段階的にステップアップします。
ステップ例
- 日系企業 → 外資系企業の日本法人(英語低め)
- 外資系企業の日本法人 → グローバルチームへ異動
- グローバルチーム → 海外オフィスへ転籍
最初のステップで外資の環境に慣れ、働きながら英語力を伸ばし、その後グローバルな環境にステップアップする戦略です。
戦略④ 英語力を急いで上げる
転職活動と並行して、英語力を急ピッチで上げます。
短期間で英語力を上げる方法
- オンライン英会話を毎日30分〜1時間
- 英語の技術記事を毎日読む
- 英語のポッドキャスト・YouTubeを聴く
- 面接で使う英語を集中的に練習する
3〜6ヶ月集中すれば、面接を突破できるレベルには到達できます。
英語面接の最低ライン
外資の英語面接で求められる最低ラインを示します。
最低ラインの英語力
完璧な英語は求められません。以下ができれば、最低ラインはクリアです。
できる必要があること
- 自己紹介を英語で話せる(2〜3分)
- 職務経歴を英語で説明できる
- 質問の意図を理解できる
- 自分の考えを伝えられる(文法が多少崩れてもOK)
- 分からないときに聞き返せる
できなくても大丈夫なこと
- ネイティブ並みの発音
- 完璧な文法
- 高度な語彙
- ジョークを理解する
面接で使える英語フレーズ
英語面接で使えるフレーズを覚えておくと安心です。
聞き返すとき
- “Could you repeat that, please?”
- “I’m sorry, I didn’t catch that.”
- “Could you rephrase the question?”
考える時間が欲しいとき
- “That’s a great question. Let me think about it for a moment.”
- “Let me organize my thoughts.”
確認するとき
- “Just to clarify, you’re asking about…?”
- “If I understand correctly, you want to know…?”
英語面接の準備
英語面接の準備として、以下を練習してください。
必ず準備すること
- 自己紹介(2〜3分バージョン)
- 職務経歴の説明(各プロジェクト1〜2分)
- “Tell me about yourself”への回答
- “Why do you want to work here?”への回答
- “Why are you leaving your current job?”への回答
- STAR形式のエピソード(3〜5個)
これらを英語で話す練習を繰り返してください。録音して聞き返すと、改善点が見つかります。
入社後に英語力を伸ばす方法
英語力が低い状態で入社した場合、入社後に英語力を伸ばす方法を示します。
方法① 実践で慣れる
最も効果的なのは、実践で英語を使うことです。
英語の会議に参加する、英語でメールを書く、英語のドキュメントを読む。最初は辛いですが、場数を踏むうちに慣れていきます。
「分からないから避ける」ではなく、「分からなくても飛び込む」姿勢が重要です。
方法② オンライン英会話を続ける
業務とは別に、オンライン英会話で練習を続けます。
業務で使う英語は限られた表現に偏りがちです。オンライン英会話で幅広い会話練習をすることで、総合的な英語力が上がります。
方法③ 英語で情報収集する
技術情報、ニュース、ポッドキャストなど、情報収集を英語に切り替えます。
毎日英語に触れることで、リーディング力とリスニング力が自然に向上します。
方法④ 英語を使う機会を自分から作る
英語を使う機会を、自分から積極的に作ります。
例
- 海外チームとの会議に参加させてもらう
- 英語のドキュメントの作成を担当する
- 海外出張の機会があれば手を挙げる
- 英語のプレゼンに挑戦する
受け身でいると、英語を使う機会は限られます。自分から機会を作ることで、成長スピードが上がります。
英語ができないことを理由に諦めるべきか
「英語ができないから外資は無理」と諦めるべきでしょうか。
諦める必要はない
英語ができないことを理由に、外資を諦める必要はありません。
理由は以下の通りです。
理由① 英語力が低くても入れるポジションがある 前述の通り、英語力をあまり求めないポジションは存在します。
理由② 英語は伸ばせる 英語力は、努力すれば伸びます。今できなくても、3〜6ヶ月本気で取り組めば、最低ラインには到達できます。
理由③ 入社後に伸ばす人も多い 外資で働いている人の中には、入社時は英語がほとんどできなかった人も多いです。環境に飛び込むことで、急速に英語力が伸びます。
理由④ 完璧な英語は求められていない 外資で働く人の多くは、ネイティブではありません。多少英語が拙くても、コミュニケーションが取れれば仕事はできます。
ただし、努力は必要
英語ができないまま何も努力しないのは、おすすめしません。
外資に入るなら、遅かれ早かれ英語力は必要になります。転職活動と並行して、英語学習を始めてください。
「英語ができないから」を言い訳にして先延ばしにすると、いつまでも外資に行けません。「英語ができないけど、今から始める」という姿勢が重要です。
よくある質問
英語と外資転職に関するよくある質問に答えます。
Q. TOEICは何点必要?
A. TOEICのスコアは、あくまで目安です。
| スコア | 目安 |
|---|---|
| 600点未満 | 英語力要件が低いポジションを狙う |
| 600〜730点 | 読み書き中心のポジションは可能 |
| 730〜860点 | 多くの外資ITポジションで最低ライン |
| 860点以上 | 英語力で足切りされることはほぼない |
ただし、TOEICは読み書きの試験です。スコアが高くても会話ができない人もいます。逆に、スコアが低くても会話力がある人もいます。
TOEICのスコアより、実際に英語でコミュニケーションが取れるかが重要です。
Q. 英語面接が不安。どう対策すべき?
A. 準備と練習が重要です。
- 想定質問への回答を英語で準備する
- 声に出して練習する(10回以上)
- オンライン英会話で模擬面接をする
- 録音して聞き返し、改善点を修正する
準備した内容を話せれば、面接の大部分は乗り越えられます。
Q. 入社後、英語についていけなかったらどうする?
A. 最初はついていけないのが普通です。
入社直後は、会議で何を言っているか分からない、メールの意味が分からない、ということは普通にあります。
大事なのは、分からないことを放置しないことです。分からなければ聞く、調べる、復習する。これを繰り返せば、数ヶ月で慣れます。
まとめ:英語ができなくても外資ITに挑戦できる
英語ができなくても外資ITに転職できるかについてまとめます。
英語力が低くても、外資ITに転職できるケースはあります。日本法人が大きい企業、日本市場向けのポジション、技術力重視のエンジニアポジションなど、英語力要件が低いポジションを狙ってください。
ただし、外資で働くなら、遅かれ早かれ英語力は必要になります。転職活動と並行して、英語学習を始めてください。3〜6ヶ月本気で取り組めば、面接を突破できるレベルには到達できます。
英語ができないことを理由に、外資を諦める必要はありません。環境に飛び込むことで、英語力は伸びます。「今は英語ができないけど、やりながら伸ばす」という姿勢で挑戦してください。


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