北米の永住権を取りたい。でも、何から始めればいいか分からない。
この悩みを持つIT人材は少なくありません。
私は現在、北米の永住権を保有しています。日本のSIerでキャリアをスタートし、外資IT企業、北米企業での勤務を経て、永住権を取得しました。現在は大手外資コンサルティングファームで働いています。
永住権の取得は、簡単ではありませんでした。数年がかりのプロジェクトであり、計画的に準備を進める必要がありました。
この記事では、北米永住権を取得するまでにやったことを、実体験ベースでお伝えします。
なぜ北米永住権を目指したのか
まず、なぜ永住権を目指したのかを書きます。
理由① キャリアの選択肢を広げたかった
永住権があれば、北米で自由に働けます。
就労ビザ(H-1Bなど)は、雇用主に紐づいています。会社を辞めると、ビザも失います。転職するたびにビザの問題に悩まされ、キャリアの選択肢が制限されます。
永住権があれば、どの会社でも働けます。転職も自由です。この「自由」を手に入れたかったのが、永住権を目指した最大の理由です。
理由② 長期的なキャリアを北米で築きたかった
北米でのキャリアに本気で取り組むなら、永住権は必須だと感じました。
就労ビザは、いつ切れるか分かりません。ビザの更新が却下される、会社がスポンサーをやめる、レイオフに遭うなど、リスクは常にあります。
永住権があれば、このような不確実性から解放されます。北米に腰を据えて、長期的なキャリアを築くことができます。
理由③ 家族の将来を考えた
将来、家族ができたときのことも考えました。
永住権があれば、家族も北米に住めます。子どもがいれば、現地の学校に通わせることもできます。家族の選択肢を広げるためにも、永住権は重要でした。
永住権取得までのタイムライン
私の場合、永住権取得までのタイムラインは以下の通りでした。
| 時期 | やったこと |
|---|---|
| 0年目 | 外資IT企業の日本法人に転職 |
| 1年目 | 日本法人で成果を出す、英語力を上げる |
| 2年目 | 北米オフィスへの異動を打診、承認される |
| 3年目 | 北米に赴任(L-1ビザ)、現地で実績を積む |
| 4年目 | 会社が永住権のスポンサーを開始 |
| 5年目 | 永住権申請中、現地での生活を継続 |
| 6年目 | 永住権取得 |
合計で約6年かかりました。長いプロセスでしたが、計画的に進めたことで、最終的に取得できました。
永住権取得のために実際にやったこと
永住権取得のために、具体的にやったことを時系列で説明します。
ステップ1:外資IT企業の日本法人に転職した
まず、北米オフィスを持つ外資IT企業の日本法人に転職しました。
これが永住権取得への第一歩でした。北米に直接就職するのは、ビザの問題で難しいです。しかし、外資の日本法人に入り、社内転籍で北米に行くルートは、比較的現実的です。
転職先を選ぶときに重視したこと
- 北米に大きなオフィスがあること
- 社内転籍の実績があること
- 永住権のスポンサーをしてくれる可能性があること
面接では「将来、北米で働くことに興味がある」と伝えました。会社側も、グローバルに活躍できる人材を求めていたので、この希望はプラスに働きました。
ステップ2:日本法人で成果を出した
日本法人で、まず成果を出すことに集中しました。
北米への異動を希望しても、成果を出していなければ認められません。「この人を北米に送りたい」と思わせる実績が必要でした。
意識したこと
- 担当プロジェクトで目に見える成果を出す
- 上司からの信頼を得る
- グローバルチームとの接点を作る
- 社内での存在感を高める
1年目は、とにかく成果を出すことに集中しました。
ステップ3:英語力を徹底的に上げた
並行して、英語力を徹底的に上げました。
北米で働くには、ビジネスレベルの英語力が必須です。当時の私の英語力は、「何とか会話できる」レベルでした。これでは不十分です。
やったこと
- オンライン英会話を毎日1時間
- 英語のポッドキャストを通勤中に聴く
- 英語の技術記事を毎日読む
- 社内の英語会議に積極的に参加する
- 英語でプレゼンする機会を自分から作る
1年間、本気で取り組んだ結果、英語力は大幅に向上しました。完璧ではありませんでしたが、「北米で働いても何とかなる」レベルにはなりました。
ステップ4:北米オフィスへの異動を打診した
2年目の後半、上司に北米オフィスへの異動を打診しました。
打診の仕方
- 1on1で「将来的に北米で働きたい」と伝えた
- 具体的な希望(どのチーム、どのポジション)を示した
- なぜ北米に行きたいのか、理由を説明した
- 自分が北米で貢献できることをアピールした
上司は好意的に受け止めてくれました。ただし、すぐに異動が決まるわけではなく、北米側との調整、ポジションの確保、ビザの手続きなど、半年以上かかりました。
ステップ5:北米に赴任した(L-1ビザ)
3年目に、北米オフィスに異動しました。
ビザは、L-1ビザ(企業内転勤者ビザ)でした。L-1ビザは、同じ会社の海外オフィスから米国オフィスに転勤する場合に使えるビザです。H-1Bのような抽選はありません。
L-1ビザのポイント
- 同じ会社で1年以上働いている必要がある
- 管理職または専門職であること
- 抽選がないため、確実に取得できる
- 最長7年(L-1A)または5年(L-1B)まで滞在可能
L-1ビザで北米に行けたのは、外資の日本法人で1年以上働いていたからです。このルートを狙っていたので、計画通りでした。
ステップ6:北米で実績を積んだ
北米に赴任してからは、現地で実績を積むことに集中しました。
永住権を会社にスポンサーしてもらうには、「この人は北米にいてほしい」と思わせる必要があります。そのためには、北米で価値を出し、評価を得る必要がありました。
意識したこと
- プロジェクトで目に見える成果を出す
- チームに貢献する
- マネージャーとの関係を良好に保つ
- 「この人がいなくなると困る」存在になる
最初の1年は、現地の環境に慣れながら、成果を出すことに集中しました。
ステップ7:永住権のスポンサーを会社に依頼した
北米で1年働いた後、会社に永住権のスポンサーを依頼しました。
依頼の仕方
- マネージャーとHRに相談した
- 自分が永住権を取りたい理由を説明した
- 会社にとってのメリット(長期的に貢献できる)を伝えた
- 永住権を取得した後も会社に留まる意思を示した
幸い、会社は永住権のスポンサーをしてくれることになりました。すべての会社がスポンサーしてくれるわけではないので、これは運も良かったです。
ステップ8:永住権申請のプロセスを進めた
永住権の申請プロセスは、会社と移民弁護士が主導してくれました。
申請のプロセス(アメリカの場合の例)
- PERM(労働許可証の申請)
- I-140(移民請願書の申請)
- I-485(永住権の申請)またはConsular Processing
このプロセスには、1〜3年以上かかることがあります。私の場合も、申請から取得まで約2年かかりました。
待っている間も、ビザのステータスを維持しながら働き続ける必要があります。この期間は、不安も大きかったです。
ステップ9:永住権を取得した
申請から約2年後、ついに永住権を取得しました。
永住権のカード(グリーンカード)を手にしたときは、達成感がありました。6年がかりのプロジェクトが、ようやく完了した瞬間でした。
永住権取得のために重要だったこと
振り返ると、永住権取得のために重要だったことがいくつかあります。
重要だったこと① ルートを戦略的に選んだ
最初から「外資の日本法人 → 社内転籍 → 永住権」というルートを狙っていました。
北米に直接就職するのは難しいですが、外資の日本法人を経由するルートは現実的です。このルートを知っていたからこそ、計画的に動けました。
重要だったこと② 会社選びを慎重に行った
外資IT企業の中でも、北米オフィスが大きく、社内転籍の実績があり、永住権のスポンサーをしてくれる可能性がある会社を選びました。
すべての外資がこれらの条件を満たすわけではありません。会社選びの段階で、将来の永住権取得を視野に入れていたことが重要でした。
重要だったこと③ 成果を出し続けた
日本法人でも、北米でも、成果を出し続けました。
成果を出していなければ、北米への異動は認められなかったでしょう。永住権のスポンサーも、してもらえなかったかもしれません。成果を出すことが、すべての基盤でした。
重要だったこと④ 英語力を上げた
英語力は、北米で働くための必須条件です。
英語ができなければ、北米での成果も出せません。永住権取得を目指すなら、早い段階から英語力を上げることが重要です。
重要だったこと⑤ 長期的な視点で動いた
永住権取得は、数年がかりのプロジェクトです。
短期的な成果だけを追わず、長期的な視点で計画を立て、一歩ずつ進めていきました。焦らず、着実に進めたことが、成功の鍵でした。
永住権取得で大変だったこと
永住権取得のプロセスで、大変だったことも正直に書きます。
大変だったこと① 待ち時間が長い
永住権の申請プロセスは、とにかく時間がかかります。
申請してから結果が出るまで、何ヶ月も待つことがあります。その間、「却下されたらどうしよう」という不安を抱えながら生活します。
この待ち時間のストレスは、想像以上でした。
大変だったこと② ビザのステータスを維持する不安
永住権を取得するまで、就労ビザのステータスを維持する必要があります。
会社を辞めたらビザも失う。レイオフに遭ったらビザも失う。この不安を常に抱えながら働くのは、精神的に大変でした。
大変だったこと③ 費用がかかる
永住権の申請には、費用がかかります。
私の場合、会社がほとんどの費用を負担してくれましたが、一部は自己負担でした。弁護士費用、申請費用、各種証明書の取得費用など、合計で数十万円程度かかりました。
大変だったこと④ 書類の準備が膨大
永住権の申請には、膨大な書類が必要です。
学歴証明、職歴証明、推薦状、各種フォームなど、集めるのも書くのも大変でした。移民弁護士が手伝ってくれましたが、それでも自分でやる部分は多かったです。
大変だったこと⑤ 家族への影響
北米への移住は、家族にも影響があります。
配偶者のキャリア、子どもの教育、親との距離など、考えるべきことは多いです。私は独身の時に渡米しましたが、家族がいる場合は、より慎重な判断が必要です。
永住権を取得して変わったこと
永住権を取得して、変わったことを書きます。
変わったこと① キャリアの自由度が上がった
永住権を取得して、キャリアの自由度が大幅に上がりました。
どの会社でも働ける。転職も自由。起業も可能。ビザに縛られない自由は、想像以上に大きいです。
実際、永住権取得後に転職しましたが、ビザの心配をせずに転職活動ができたのは大きかったです。
変わったこと② 精神的な安定を得た
「ビザが切れたらどうしよう」という不安がなくなりました。
この精神的な安定は、仕事のパフォーマンスにも良い影響を与えています。不安なく、目の前の仕事に集中できます。
変わったこと③ 長期的な計画を立てられるようになった
永住権があれば、北米に長期的に住む前提で計画を立てられます。
住宅の購入、子どもの教育、老後の計画など、長期的な視点で考えられるようになりました。
永住権取得を目指す人へのアドバイス
最後に、永住権取得を目指す人へのアドバイスを書きます。
アドバイス① 早めに動き始める
永住権取得は、時間がかかります。早めに動き始めてください。
「いつか取りたい」と思っているだけでは、永遠に取れません。具体的な計画を立て、今日から動き始めてください。
アドバイス② ルートを戦略的に選ぶ
永住権取得には、複数のルートがあります。
- 外資の日本法人 → 社内転籍 → 永住権(私のルート)
- 北米企業に直接応募 → H-1B → 永住権
- 留学 → OPT → H-1B → 永住権
- カナダのExpress Entry → カナダ永住権
自分に合ったルートを選び、計画的に進めてください。
アドバイス③ 英語力を上げる
北米で働くには、英語力が必須です。
永住権取得を目指すなら、今日から英語学習を始めてください。数年後に必要になるスキルは、今から準備しておくべきです。
アドバイス④ 専門性を高める
北米で評価されるのは、専門性です。
クラウド、データ、セキュリティ、機械学習など、需要の高い領域で専門性を高めてください。専門性が高いほど、ビザのスポンサーを得やすくなります。
アドバイス⑤ 長期戦を覚悟する
永住権取得は、数年がかりのプロジェクトです。
短期間で取れると思わないでください。長期戦を覚悟し、着実に進めることが重要です。
アドバイス⑥ 専門家に相談する
移民法は複雑で、頻繁に変わります。
永住権取得を本気で目指すなら、移民弁護士に相談してください。自分だけで判断せず、専門家のアドバイスを得ることが重要です。
まとめ:永住権取得は計画と実行で達成できる
北米永住権を取得するまでにやったことをまとめます。
私は、外資IT企業の日本法人に転職し、成果を出し、英語力を上げ、北米オフィスに異動し、現地で実績を積み、永住権を取得しました。合計で約6年かかりました。
永住権取得は、簡単ではありません。しかし、ルートを戦略的に選び、計画的に準備を進めれば、達成は可能です。
北米永住権を目指すなら、早めに動き始めてください。数年後の自分のために、今日から準備を始めてください。


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