SESからの転職を考えるとき、本当に悩んでいること
「スキルは積んでいるはずなのに、なぜか面接で落ちる」「自社開発に行きたいが、自分の市場価値がどれくらいか分からない」。SESから自社開発への転職を検討しているエンジニアの多くが、こうした漠然とした不安を抱えています。
結論から言います。SESから自社開発への転職は十分に実現できます。ただし、「なんとなく応募する」だけでは厳しく、SES出身者特有の弱点を理解した上で戦略的に動く必要があります。選考で問われる観点、職務経歴書の書き方、年収交渉の相場感。これらを正しく押さえれば、選考通過率は大きく変わります。
本記事では、SES出身者が自社開発転職で躓くポイントと、それを乗り越えるための具体的な方法を体系的に解説します。
SESと自社開発の構造的な違いを正しく理解する
転職活動に入る前に、両者の違いを「採用企業側の視点」から整理しておく必要があります。なぜなら、SES出身者が書類や面接で弱く見える理由の多くは、この構造的な違いに起因するからです。
雇用・開発体制・評価の比較
| 観点 | SES(客先常駐) | 自社開発 |
|---|---|---|
| 開発対象 | 顧客のシステム | 自社プロダクト・サービス |
| 意思決定への関与 | 基本的にできない | 仕様策定・設計から参画可能 |
| 技術選定権限 | ほぼなし | あり(会社・役割による) |
| 評価軸 | 稼働・単価 | 成果・プロダクトへの貢献 |
| キャリアパス | 単価アップが主 | スペシャリスト・EM・PdMなど多様 |
| 年収レンジ(目安) | 400〜650万円台が中心 | 500〜900万円台(企業差大) |
自社開発企業が採用で重視するのは、「自律的に動けるか」「プロダクトの成長に責任を持てるか」という点です。SESでは常駐先の指示に従って動く場面が多いため、「主体性」や「意思決定の経験」が職歴から見えにくくなりやすい。これが最大のギャップです。
SES出身者が自社開発転職で直面する3つの壁
壁① 職歴の「読み替え」ができていない
SESのエンジニアが書いた職務経歴書を見ると、「〇〇システムの設計・開発・テスト担当」という記載が並ぶことが多くあります。しかしこれだけでは、採用担当者には「何を決めて、何を作り、どんな成果を出したのか」が伝わりません。
自社開発企業が求めているのは、技術的な経験の列挙ではなく「あなたがそのプロジェクトの中でどう動いたか」という主体性の証拠です。「チームのバックエンド設計を主導し、レビュー工数を30%削減した」「要件が曖昧な中でPMと交渉し、スコープを定義した」といった書き方に変える必要があります。
壁② 技術スタックがモダンでないケースがある
常駐先が大手SIer案件やレガシーシステムの保守・運用だった場合、使用技術がJava 8以前やCOBOL、VBなどに偏ることがあります。自社開発企業、特にWebサービスやSaaS系企業が求めるスタックとのギャップが生じやすい点は正直に認識しておく必要があります。
ただし、これは転職が不可能という意味ではありません。業務外での個人開発やOSSコントリビューション、副業案件などでモダンな技術の実績を作ることは十分に可能です。採用担当者も「今の技術スタックではなく、学習意欲とキャッチアップ力」を見ていることが多い。
壁③ 「自社開発ならどこでもいい」という軸のなさ
SESから抜け出したいという動機は正当ですが、「自社開発なら何でもいい」という姿勢で臨むと面接で確実に見透かされます。なぜなら、自社開発企業の面接官はプロダクトへの愛着や理解を重視しているからです。
「なぜうちのサービスを使いたいのか」「どの機能に課題を感じたか」という質問は頻繁に出ます。事前にそのサービスを実際に使い込み、技術ブログや開発者登壇動画を調べた上で臨む。この準備の差が選考通過率を大きく左右します。
転職成功に向けた5つの実践ステップ
ステップ① 自分の「強みの粒度」を上げる
まず、これまで関わったプロジェクトを棚卸しし、自分が「主体的に動いた場面」だけを抽出します。チームリード、技術選定の提案、設計レビュー、後輩育成など、どんなに小さくても構いません。SES経験でも、主体性の証拠は必ず存在します。
ステップ② 職務経歴書を「成果ドリブン」に書き直す
SIer・SES出身者の職歴書に多い「〇〇の開発・保守・テスト」という記載を改め、STAR形式(状況・課題・行動・結果)で書き直します。特に「結果」には数字を入れることが重要です。処理時間の改善率、バグ件数の削減数、対応したチームの規模など、定量化できるものはすべて数値化します。
ステップ③ 技術力を可視化するポートフォリオを作る
GitHubのREADMEが整っていない、個人開発物がない、という状態では自社開発企業の書類選考を通過しにくい現実があります。既存のSES業務と並行しながら、小さくてもいいので「自分で考えて作ったもの」を作ることを強くお勧めします。技術的な高度さよりも、「なぜそれを作ったか」という問題意識の明確さのほうが評価されるケースが多い。
ステップ④ ターゲット企業を3つのレイヤーで分類する
| レイヤー | 企業例イメージ | 難易度 | 年収目線 |
|---|---|---|---|
| チャレンジ枠 | メガベンチャー、外資系Tech | 高 | 700万円〜 |
| メイン枠 | 中堅〜大手SaaS、事業会社Dev | 中 | 550〜750万円 |
| 確保枠 | 中小Web系、スタートアップ | 比較的低め | 450〜600万円 |
志望企業を難易度でレイヤー分けし、それぞれ複数社確保した上で選考を進めることで、「内定ゼロ」というリスクを下げながら交渉力を持てる状態を作れます。
ステップ⑤ エージェントを選考対策に活用する
自社での応募だけに頼るのは非効率です。IT特化型の転職エージェントは、企業の採用担当者と日常的にやり取りしており、「この企業はどんな人物を求めているか」「直近の選考傾向はどうか」という内部情報を持っていることが多い。特に非公開求人へのアクセスと、面接フィードバックの取得を目的として活用するのが効果的です。
SESから自社開発転職に「向いているエージェント」の考え方
エージェントは複数登録が基本ですが、SESから自社開発への転職では「IT特化型かどうか」と「キャリアアドバイザーが現場感を持っているか」が選ぶ上での重要な軸になります。総合型の大手エージェントは求人数は多いものの、IT職種特有の技術的なコンテキストを把握したアドバイスが得られにくいケースがあります。
一方、IT特化型のエージェントであれば、「GoとTypeScriptの経験があるならこの企業は通過しやすい」「このポジションはスクラム経験必須」といった、職種理解に基づく具体的な情報提供が期待できます。
Geeklyについて:IT・Web専門のエージェントとして何が強いか
どんな人に向くか
SESから自社開発・Webサービス・SaaS系企業への転職を目指している20代後半〜30代前半のエンジニアに、特に向いています。IT・Web・ゲーム業界に特化したエージェントであり、取り扱う求人の多くが自社開発企業です。
特徴と強み
Geeklyは、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントです。公式サイトの情報によると、保有求人の多くがIT・Web領域の自社開発ポジションで占められており、SES出身者が目指すターゲット企業と親和性が高い求人ラインナップが揃っています。
キャリアアドバイザーがIT職種の知識を持っていることが多く、「なぜSESから自社開発に移りたいのか」という転職理由の整理から、職務経歴書の技術的な表現の改善まで、IT文脈で相談しやすい環境があります。
また、企業ごとの選考傾向や面接で実際に聞かれる質問例の情報提供も行っており、対策の精度を上げる上で実用的です。
正直なデメリットや向かない人
業界特化型であるため、IT・Web以外の業界への転職には対応しにくい点があります。また、SESの中でも完全にインフラ・ネットワーク寄りのキャリアで開発経験がほぼない場合は、提案できる求人の幅が狭まることがあります。
さらに、年収800万円超のエグゼクティブ・マネージャー層の転職には、ハイクラス特化型のサービスのほうが適している場面もあります。
使うときのコツ
登録面談では、「自社開発企業へ移りたい理由」と「直近の業務で主体的に動いた経験」を事前に整理した状態で臨むと、アドバイザーからの提案精度が上がります。求人紹介を受けるだけでなく、「なぜその企業を紹介するのか」「選考で重視されるポイントは何か」を積極的に引き出す使い方が効果的です。
まずは無料で登録して、今の自分の市場価値を確かめてみてください。

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よくある質問(FAQ)
Q1. SES歴3年でスキルに自信がなくても自社開発に転職できますか?
できるケースは十分にあります。重要なのは年数よりも「何を経験し、どう動いたか」です。3年間SESでJavaのバックエンド開発に携わり、設計レビューや後輩指導を経験しているなら、中堅自社開発企業への転職は現実的な選択肢です。ただし、ポートフォリオや職務経歴書の質が問われるため、応募前の準備に十分な時間を取ることを強く勧めます。
Q2. SESから自社開発に転職すると年収は下がりますか?
企業と役割次第ですが、一般的にはSESの単価水準と同程度か、スキルと交渉次第で上回るケースが多くあります。SESは単価の中間マージンが発生する構造のため、技術力が高いほど自社開発企業のほうが手取りベースで有利になりやすい。ただし、スタートアップへの転職でストックオプション条件が含まれる場合は固定給が下がることもあるため、総報酬ベースで比較することが重要です。
Q3. 面接でSES経験をどう説明すればいいですか?
「客先常駐だったため意思決定に関与できなかった」という文脈を正直に伝えつつ、「その中でも自分が工夫した点・提案した点・リードした場面」を具体的に話す構成が有効です。SES経験を弁解するのではなく、「その環境でどう主体性を発揮したか」を前面に出す。加えて、「自社開発を選ぶ理由」を「SESが嫌だから」ではなく「プロダクトの成長に責任を持ちたいから」という動機として言語化できると、面接官の印象が大きく変わります。
Q4. IT特化型と総合型、どちらのエージェントを使うべきですか?
自社開発・Web系・SaaS企業を狙うならIT特化型が有利です。技術職種特有の選考傾向や要求スペックについて、より解像度の高いアドバイスが期待できます。一方、事業会社の情報系部門や大手企業のDX推進部門なども視野に入れる場合は、総合型エージェントの求人網が補完的に機能します。両者を1〜2社ずつ併用するのが現実的です。
Q5. 転職のベストなタイミングはいつですか?
市場全体として、IT・Web領域の求人は通年出ていますが、一般的に1〜3月と9〜11月は企業の採用が活発になりやすい時期です。ただし、それよりも「今の職場でこれ以上のスキルアップが見込めなくなった時点」が個人レベルのベストタイミングです。準備が整った状態で市場に出ることが最優先であり、タイミングを待ちすぎて30代後半を超えてしまうことのほうがリスクになります。
まとめ:SESから自社開発転職を成功させる5つのポイント
筆者は外資コンサルの現場と、日本国内の大規模エンタープライズPM経験を持っていますが、IT転職市場において「SES出身だから不利」という絶対的なハンデは存在しないと感じています。問題は出身環境ではなく、経験の提示方法と戦略の有無です。
この記事の要点を整理します。
1. SESと自社開発の構造的ギャップを理解する。採用企業は「主体性」と「プロダクト貢献の意思」を見ている。
2. 職務経歴書を成果ドリブンに書き直す。SES出身者の職歴も、STAR形式と数値化で大きく化ける。
3. 技術のモダン化とポートフォリオ整備を並行して進める。転職活動前の2〜3ヶ月が勝負。
4. ターゲット企業をレイヤー分類して、複数社同時進行する。内定数で交渉力を作る。
5. IT特化エージェントを選考情報の取得源として活用する。求人紹介だけでなく、内部情報を引き出すために使う。
SES 自社開発 転職の成功確率は、準備の質で決まります。

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