Web系転職で「エージェントを使い分けられるか」が、年収の分岐点になる
SIerや受託開発から自社開発・Web系への転職を考えているエンジニアが最初につまずくのは、「どのエージェントを使えば本当にWeb系に強いのか」という情報の非対称性です。大手総合型に登録しても、結局SIerや受託の求人ばかり紹介されて終わる、という経験をした方は少なくないはずです。
結論を先に伝えます。Web系転職で年収アップを実現するには、Web・IT特化型のエージェントを軸に据え、自分のスキルセットと希望する職種・フェーズに合ったサービスを選ぶことが前提条件になります。総合型を使う場合も、担当者のWeb系への理解度を初回面談で見極めることが欠かせません。
Web系転職市場の現状と年収相場を整理する
まず、Web系転職の全体像を把握しておきましょう。ここでいう「Web系」とは、自社でWebサービス・アプリを開発・運営する企業群を指します。メガベンチャー、スタートアップ、SaaS企業、EC・フィンテック系などが代表的です。受託開発やSIerのビジネスモデルとは根本的に異なり、エンジニアが事業の中心に近い位置にいる点が特徴です。
転職市場における需給バランスは依然としてエンジニア優位ですが、2024年以降は選別が進んでいます。具体的には、TypeScript・Go・Rust・クラウドネイティブ(AWS/GCP/Azure)・マイクロサービス設計などの経験があるエンジニアへの需要は高い一方、Java+Oracleのみ、COBOLのみ、といったレガシー特化型は苦戦するケースが増えています。
以下に、Web系における職種別の年収レンジの目安を示します。企業規模・フェーズによってばらつきがある点はあらかじめご承知おきください。
| 職種 | 年収レンジ(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| バックエンドエンジニア(3〜5年目) | 600〜900万円 | Go/Python/Node.ts系で高め |
| フロントエンドエンジニア(3〜5年目) | 550〜850万円 | React/Next.js必須レベルが多い |
| フルスタックエンジニア | 700〜1,000万円 | 設計経験があると上振れ |
| テックリード / エンジニアリングマネージャー | 900〜1,400万円 | マネジメント+技術両立が前提 |
| DevOps / SRE | 750〜1,100万円 | クラウド+IaC経験が鍵 |
| データエンジニア / MLエンジニア | 700〜1,100万円 | 需要増加中 |
これはあくまで一般的な市場水準であり、上場済み・Series C以降のスタートアップや、外資系Web企業では上限がさらに上がることがあります。
Web系転職エージェントを選ぶときの3つの判断軸
エージェント選びに迷ったとき、総合型か特化型かという二項対立で考えるよりも、以下の3軸で整理するのが実践的です。
① 求人の質とマッチング精度
Web系に特化したエージェントの最大の利点は、求人の質が絞られていることです。総合型では「IT系」という括りで受託・SIer・事業会社が混在して紹介されるケースが多く、自社開発案件の比率が低いことがあります。特化型であれば、担当者自身もWeb系の採用要件や技術スタックをある程度理解しているため、的外れな求人が届く頻度が下がります。
② 担当者の技術理解度
これは初回面談で必ず確認すべき点です。「Go言語を使っています」と伝えたときに、担当者がその用途や難易度感をある程度把握しているかどうかは、その後の求人精度に直結します。技術的な文脈を理解していない担当者では、あなたの強みを企業に正確に伝えることができません。
③ ターゲット企業層の一致
自分がどのフェーズの企業に行きたいのかを明確にしておくことも重要です。上場済みの安定した環境を求めるのか、Series B前後のグロースフェーズで事業を作りたいのか。エージェントによって得意とする企業層が異なるため、自分の志向に合ったサービスを選ぶことが、選考通過率にも影響します。
エージェントを使う前に整えておくべき「スキルの棚卸し」
エージェントに登録する前に、自分のスキルセットを整理しておくことを強くお勧めします。これを怠ると、エージェントの担当者も的確な求人を提案しにくくなります。
具体的には以下の項目を言語化してください。
– 主な技術スタック(言語・フレームワーク・クラウド・DB)
– 開発の規模感(チーム人数、DAU/MAU、トランザクション数など)
– 自分がどのフェーズで何を担ったか(要件定義、設計、実装、レビュー、リリース、運用)
– マネジメント経験の有無と範囲(メンバー人数、採用関与など)
– 転職で実現したいこと(年収・技術領域・働き方・ポジション)
特にWeb系の選考では「あなたが作ったものが、世の中にどんな影響を与えたか」を問われる場面が多いです。ビジネスインパクトの言語化は、事前に準備しておく価値があります。
転職エージェントを活用するうえでのリスクと注意点
エージェントを使う際のメリットは広く知られていますが、デメリットや注意点についても正直に書いておきます。
注意点① スピードの圧力に乗せられないようにする
エージェントはビジネスモデル上、早期に成約を目指す構造にあります。そのため、「内定が出ているのに迷っているなら決めた方がいい」といった方向に誘導されることがあります。30代での転職は特に長期的な影響が大きいため、複数社の内定を比較し、自分のペースで判断することが重要です。
注意点② 求人数の多さと質は別物
「求人数10万件以上」といったサービスでも、そのうち自分に合う求人が何件あるかは別の話です。量よりも、マッチング精度と担当者との相性を優先して選ぶことを推奨します。
注意点③ 年収交渉をエージェント任せにしない
年収の交渉をエージェントが行ってくれる場合でも、自分が希望する数字の根拠(市場水準・現年収・スキルセット)を明確に伝えておかないと、エージェントも交渉材料を持てません。事前に自分の期待値と最低ラインを決めておくことが大切です。
Web系IT特化型エージェント「Geekly」の特徴と使い方
Web系転職エージェントとして選択肢の一つとして挙げられるのが「Geekly(ギークリー)」です。以下、実務的な観点から整理します。
どんな人に向くか
Geeklyは、Web系・IT系に特化した転職エージェントです。エンジニア、デザイナー、PM、Webディレクターといった職種に強みを持ち、特に自社開発企業・Web系スタートアップへの転職を検討しているエンジニアに向いています。SIerや受託から初めてWeb系を目指す方、または現在のWeb系企業からさらに年収・環境を上げたい方、いずれのフェーズでも活用の余地があります。
特徴・強み
公式サイトによると、Geeklyは保有求人のほぼすべてがIT・Web・ゲーム業界に関連しており、総合型エージェントと比べてWeb系の求人密度が高い点が特徴です。また、担当するコンサルタント自身がIT業界の知識を持つことを採用要件にしており、技術的な文脈を踏まえたキャリア相談ができる点が評価されています。
求人の種類としては、スタートアップから上場企業まで幅広く、エンジニアリングマネージャーやテックリードといったシニア職種の求人も一定数保有しています。
正直なデメリット・向かない人
いくつかの点は正直に伝えておきます。
まず、外資系IT企業(Google、Amazon、Salesforceなど)やコンサルティングファームへの転職を主に目指している場合は、外資・コンサル特化型のエージェントと併用する方が現実的です。Geeklyは国内Web系が主戦場である点を念頭に置いてください。
また、年収1,500万円超のハイエンド層を狙うケースでは、ハイクラス専門のサービスとの組み合わせが有効なケースもあります。エージェントの特性とターゲット企業のティアを合わせて考えることが重要です。
使うときのコツ
登録後の初回面談では、以下の点を明確に伝えることが精度向上につながります。
– 現在の技術スタックと得意領域
– 避けたい業種・企業タイプ(受託、SIer等)
– 希望年収の上限・下限と、その根拠
– 転職の時期感(今すぐ vs 3〜6か月以内)
担当者のWeb系への理解度も、最初のやり取りで確かめましょう。説明が噛み合わないと感じたら、担当変更を依頼することは珍しくありません。
まずは無料で登録して、今の自分の市場価値を確かめてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. Web系未経験でもエージェントを使って転職できますか?
一般的には、プログラミングの実務経験が1〜2年以上ある方がエージェントを活用しやすい状況です。完全未経験の場合、エージェント経由で紹介できる求人が限られることが多く、まずポートフォリオの構築や独学での経験積み上げを先行させる方が現実的なケースもあります。ただし、異業種出身でも、データ分析・インフラ・QAなど経験に近い領域から入るルートはあります。
Q2. 複数のエージェントに同時登録してもよいですか?
問題ありません。むしろ、特化型と総合型を1〜2社ずつ並行して使い、求人の幅と精度を両立させる方法は一般的です。ただし、同じ企業に複数エージェント経由で応募してしまうと、採用側に印象を与えることがあるため、応募管理は自分でしっかり行う必要があります。
Q3. エージェントに伝えた希望年収は下げて紹介されることがありますか?
あります。エージェントによっては、成約率を上げるためにマッチする求人が少ない高年収帯を外して紹介するケースがあります。そのため、希望年収を明確に伝えたうえで、「この年収帯で紹介できる求人があるか確認してほしい」と明示的に依頼することが有効です。
Q4. 転職エージェントへの登録は、現職にバレることがありますか?
原則としてバレません。エージェントには守秘義務があり、現職企業に情報が流れることは基本的にない構造です。ただし、転職サイトで自分のレジュメを公開設定にしている場合、現職の採用担当者が目にするリスクは理論上あります。公開・非公開の設定を確認しておくことを推奨します。
Q5. 面接で「なぜWeb系に転職するのか」をうまく答えるコツはありますか?
Web系企業の面接では、ネガティブな動機(「受託が嫌だった」)よりも、ポジティブな志向(「プロダクトの成長に関われる環境で価値を出したい」)が評価されやすい傾向があります。また、「あなたの技術がうちのプロダクトにどう貢献できるか」を具体的に語れると、説得力が増します。エージェントの模擬面接サービスを活用し、何度か言語化の練習をしておくと選考通過率が上がります。
まとめ:Web系転職で年収を上げるためにエージェントをどう使うか
この記事の要点を整理します。
1. Web系転職エージェントは「特化型」を軸にする。総合型では求人の質・密度・担当者の技術理解度において差が生じやすい。
2. 担当者の技術理解度は初回面談で見極める。自分のスキルを正確に伝えられる担当者かどうかが、マッチング精度を左右する。
3. スキルの棚卸しと年収の根拠を事前に整理する。エージェント任せにせず、自分の希望と市場価値を言語化して持ち込む。
4. デメリットを理解したうえでサービスを活用する。スピード圧力・求人数と質の混同・年収交渉のブラックボックス化には注意が必要。
5. Geeklyのような特化型エージェントは、国内Web系・自社開発企業への転職に向いている。外資・コンサル志望は他サービスとの併用を検討する。
筆者自身、外資コンサル・グローバルチームでのキャリアを経てきた経験から言えるのは、転職の質を決めるのは「どこに応募したか」よりも「どう準備して、どう見せたか」だということです。エージェントはその準備を加速するための手段であり、主体はあくまで自分自身である点を忘れないでください。
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